一気に暴落してバブル後
私は、今年の不動産市場があの悪夢の九二年当時と同じような状況に陥ると予想しています。九二年といえば、八月に日経平均株価が一四○○○円台まで一気に暴落してバブル後の最安値をつけた年です。為替相場は今年の年初とほぼ同じ一ドル=一二八円前後でしたが、それでも公定歩合は三・二五%とまだ下げ余地があり、財政も一○兆円を超す経済対策を打つ余裕がまだあった年です。この年、金融市場以上に不動産市場は大きく荒れました。マンション販売は苦戦し、売れ残り在庫は溜まり、当時でも何とか売れていた東京城南地区のミニ戸建て住宅もまず青田では売れなくなり、次第に完成しても売れないという地獄を経験しました。住宅地と並んで商業地がさらに暴落したのもこの年です。九二年は、昨年と同じように経済担当の閣僚がそろいもそろって「最悪期は過ぎた。消費者はそろそろ我慢疲れしてモノを買い始めるはずだ」と連呼していた頃でした。私が当時勤めていた会社でも、日銀出身の天下り幹部が日銀から仕入れてきた情報と称して同じような見通しを連呼していました。これだけ誤った景気判断を続けたにもかかわらず、日銀職員もこの天下り幹部もおとがめなしに給料をもらえた良い時代でした。
